建築系会社員がTOEIC500点台で仕事に英語を活かすためにやったこと

英会話

建築業界では、国内案件に限らず、海外プロジェクトや外国人スタッフとのやりとりが求められる場面が年々増えています。英語の専門職ではなくても、「図面に英語の注釈を入れる」「英語でメールを返す」「海外の建材メーカーと連絡を取る」といった実務の中で英語が関わる機会は珍しくありません。

TOEICスコアが600点未満でも、英語を仕事に活かすことは十分可能です。求められるのは、ネイティブレベルの語学力ではなく、限られた英語力をいかに実務に応用するかという視点です。

本記事では、TOEIC500点台からスタートし、建築現場やオフィスで実際に英語を活かしている人が実践している方法を3つのステップで紹介します。

まずはここから!業務で頻出の英語フレーズを徹底的に覚えた

建築業界で使用される英語には、ある程度のパターンがあります。設計図面、仕様書、施工管理書類、資材発注書などに登場する英語表現は限られており、日常会話と異なり、繰り返し使われる定型的な言葉が中心です。

たとえば、図面における “Section” “Elevation” “Reinforcement” “Concrete cover” などは基本用語にあたります。また、指示文として頻繁に使われる “To be determined” “As per drawing” “Subject to approval” なども覚えておくと便利です。

このような業務特化型の英語は、文法よりも単語と意味理解が重要です。そこで、まず取り組むべきは「建築英単語のリスト化と暗記」です。使用頻度の高い語句を50〜100個程度に絞り、日常的に繰り返し触れることで、自然と身についていきます。

また、マニュアルや図面で頻出する英語表現をExcelやノートにまとめ、自分だけの辞書を作っておくと、必要な場面ですぐに確認できて効率的です。英語の“勉強”ではなく、“業務効率化”の一環として捉えることで、モチベーションも保ちやすくなります。

英語が話せなくてもOK!読み書き中心で貢献する方法

英語を使う仕事=会話力が必要と考えがちですが、建築業界においては「読み書き中心」の業務で活躍できる場面も多くあります。たとえば、次のような業務が該当します。

  • 海外とのメールのやり取り

  • 英文仕様書や製品カタログの読解

  • 図面のコメント整理(英語)

  • チャットベースでの現場サポート

これらの業務は、即答力や発音力よりも「正確な理解と伝達」が重視されます。翻訳ツールを補助的に使いながらでも、十分対応が可能です。実際、多くの現場ではGoogle翻訳やDeepLを活用しており、重要なのは「意図を正確に伝える工夫」です。

さらに、テンプレートや定型表現を活用することで、メールやチャットでのやり取りも安定してこなせるようになります。たとえば、“Please confirm the attached drawing.” や “Could you advise on the delivery schedule?” など、定番の言い回しを複数覚えておけば、業務に活かす場面は広がります。

会話が得意でなくても、読み書きで貢献できる業務は多数存在します。自信がない分野に固執するよりも、「できる領域」で成果を出すことが、周囲からの信頼にもつながります。

「聞く」「話す」力を上げたのは実務と並行の“ながら学習”

英語での会話力やリスニング力を高めるには、時間と継続が必要です。ただし、忙しい建築業務の合間に本格的な勉強時間を確保するのは難しいのが現実です。

そこで有効なのが、「ながら学習」です。通勤中や昼休み、移動時間などを活用し、建築系の英語を扱うポッドキャストやYouTubeチャンネルを聞き流すだけでも効果があります。

たとえば、海外の建築解説動画や現場での英語やり取りを収録した音声教材を聞くことで、実際の言い回しや発音に慣れることができます。また、内容をすべて理解する必要はなく、よく使われる単語や言い回しが耳に残ることが重要です。

スピーキングに関しては、まず「音読と反復」から始めるのが効果的です。建築英語のフレーズやメールの定型文を、声に出して何度も読むことで、発音とリズムが身につきます。実際に口に出す練習をすることで、いざというときにスムーズに言葉が出やすくなります。

スピーキング力を短期間で飛躍的に伸ばすのは難しいですが、「少しずつ慣れる」ことを意識すれば、実務での対応力は確実に向上します。

スコアではなく“使い方”が英語力の真価を決める

建築系の職場では、TOEICスコアが直接的に評価される場面はそれほど多くありません。むしろ、「英語を使って業務を円滑に進められるかどうか」が重視されます。

たとえば、

  • 海外とのメールを正確にやり取りできる

  • 図面やマニュアルの英語をスムーズに読める

  • 必要最低限の会話で現場の進行をサポートできる

といった実務スキルのほうが、周囲からの信頼や評価につながりやすいのが現状です。

TOEIC500点台というスコアでも、「英語を使って成果を出す姿勢」を持ち、「必要な英語だけを効率的に習得」すれば、十分に“英語が使える人”として認識されます。

大切なのは、スコアや資格ではなく、業務に活かせる現実的な英語力をどう育てていくかという視点です。完璧である必要はありません。むしろ「できる範囲から確実に対応できる」ことが、建築業界の実務においては大きな強みになります。

建築業界で英語を活かすために必要なのは、ネイティブ並みの語学力ではありません。日々の仕事の中で使える表現を知り、読み書きを中心に活用し、少しずつリスニング・スピーキングにも慣れていくこと。それが、TOEIC500点台でも信頼される英語力を築くための第一歩となります。

スコアに自信がなくても、「使える英語」は十分に身につけることが可能です。実務を通して英語に触れ、着実に活かせる力を積み重ねていくことが、結果として大きなチャンスにつながります。

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